Microbrewery Consulting
過去10年にわたり12カ国100以上のブルワリーを廻り、いろいろなビールスタイルやブルワリービジネスについて話しをしてきました。70年代はアメリカでマイクロブルワリーの基盤となるホームブルーイングがとても盛んで、弊社の設立のきっかけもそれに始まります。ブルーパブレストランはそれ自体新しいコンセプトではありませんでしたが、マイクロブルワリー自体の市場は未知の物として投資家や経営者の注目を集めました。
パブブルワリースタイル --- 昔コーヒーショップで出されていたのは一律同じコーヒーだった日々を覚えていますか?ある日”コーヒー革命″が起き、全く新しいタイプのクリエイティブなコーヒー飲料、また世界中の様々なコーヒーも出すようになりました。私たちはこの現象をとても好ましい物と考え、ビールについても同じ事が起こりそれが定着すればと思っています。
1985年、アメリカにはたった8軒のブルーパブしかありませんでした。その後1995年には全米中約500軒以上のブルーパブが軒を揃え、“ビールのルネッサンス”が起こりました。2000年に入るとブルーパブは更に増え1000軒を上回るようになり、アメリカのパブブルワリー市場は世界一となります。ブルーパブに加え400社以上のマイクロブルワリーがオールモルトのビールをボトルで小売店に流通させ、更にケグでの販売も始めました。
ブルーパブのコンセプト--- ブルーパブは売り上げ内容、雰囲気、メニュー、客層により1)都心タイプ、2)郊外タイプ、3)小都市タイプ、4)ホテル・観光客向けタイプの4つのコンセプト・タイプに分類する事が出来ます。
都心タイプ--- 高騰する場所代により、このタイプのブルーパブは年間で一億ドル以上の売り上げをあげる規模でなければいけません。場所的には混んでいる都心に位置し、そこに勤務、あるいは在住している人、また観光客をターゲットにしています。様々な好みと予算に合うよう、バラエティーのある幅の広いメニューが必要です。
郊外タイプ--- このタイプは場所の選択がとても重要なカギです。主に郊外のショッピングセンターや、人気のあるフランチャイズレストラン、大型店舗の並びにあります。ウォーク・イン客を呼ぶに絶好の場所として映画館や娯楽施設の近く等が挙げられます。都心タイプよりも客席が多く、価格設定は中位、家族的な雰囲気で軽いスタイルのビールを出す所が多く、ミドルクラスの家族客をターゲットにします。また、カスクやバレルでエージングさせた高アルコールのベルギービール等、季節限定の一風変わったビールを出すなどして本格的なビール好きの客層もつかむよう工夫を凝らすのが最近のトレンドです。
小都市タイプ--- このタイプは売り上げのほとんどをリピーター客に頼っています。定期的に集まれる人気のある場所に位置し、敷地面積が小さくはあってもクリエイティブなメニュー、面白いビールスタイルを展開します。
ホテル・観光客向けタイプ--- ホテル、観光リゾート地や学生街に位置します。ブルーパブにも客足が伸びるよう現地でのアトラクション効果を狙っています。サイズ的には小さくても敷地面積あたりの売り上げが他に比べ高いのが特徴です。
ちなみにアメリカ・カナダのブルーパブのほとんどは200〜350席、敷地面積が約660平方メートル。料理/ビールの売上高比率は54:46、ビールの売り上げは年間で約100,000リターが平均となっています。
Return to Top
|
|